
はじめに
世間を騒がせたインボイス制度導入から約1年半。
インボイスの今は?!
個人事業主の場合は、インボイス制度が始まってすでに2回消費税の申告があったことになります。
開始時、登録しようかどうか、悩んだ事業主の方は多いのではないでしょうか。
登録したという方、見送った方など。現場では様々なトラブルや変化がありました。
税理士の実務でもインボイス対応に振り回されました。笑
この1年半で見えてきた課題、実際にあった相談内容など書いてみようと思います。
税額が思った以上に大きい
免税事業者だった個人事業主が課税事業者を選択し、インボイス登録をしたケース。
今まで所得税の申告だけだったのが消費税の申告が増えました。
初めて消費税の納税があった方は思った以上に大きな納税で驚いた、と聞きます。
消費税の計算方法は現在3つ。原則課税、簡易課税、2割特例。
これを選択する必要があります。
令和8年9月までは2割特例が適用可能。2割特例はかなり優遇された計算方法です。
ただし、この恩恵は来年までです。
その後は、今の消費税の税額の倍ぐらいになる、と思っておいてください。
さらにこの恩恵は、全員が受けられるわけではなく、対象となる場合のみ受けられます。
この辺りも選択を間違えた、という声がありますので注意しましょう。
また、2割特例終了後は簡易課税を選択するのかどうか、という大事な選択を迫られます。
こちらも届出一つで大きく税額が変わる可能性があるので、注意しましょう。
免税事業者のままにしたら取引終了に
インボイスを登録しようかどうか悩んだ方は、これが心配だったと思います。
売上先がインボイス登録事業者でないと取引をしない、というケース。
私がお客様から聞いた話でもこの話は結構聞きました。
登録していないと取引しない、と。そう言われて仕方なく登録した。
本当は登録したくない。という方。業種によっても違いますね。
業者相手なのかどうか、消費者相手ならば登録しない選択もあります。
特に建築業で一人親方の方は登録しないと取引しない、はよく聞いた事例です。
記帳、保存の手間
意外と手間が増えたと感じているのが、「請求書の確認・保存」。
発行する自分のインボイス請求書を整えるのと同時に、
取引先のインボイス請求書を確認する作業も増えました。
取引先ごとに請求書の様式が違うのでチェックするのに時間がかかります。
これは実際にあった知り合いの税理士の話ですが、顧問先の取引先のインボイスの番号をソフトに登録しようとしたとき、登録番号が無効の番号だったそうです。
どういうことか、というと・・・
偽の番号を請求書に記載している、ということ。
インボイスを登録していないのに登録番号を記載するのは虚偽です。
とんでもないことです。
取引先が偽インボイスだった、なんて信用問題ですよね・・
インボイスを取り消したい
原則として、インボイスを登録した場合は2年継続して課税事業者となる必要があります。
思ったより負担が大きい、と感じている方は多いです。
何となく登録するものだ、と登録したけどやっぱりやめたい!!
意外と珍しい話ではないです。
毎日実務を行っている私から大事なことをお伝えます。
インボイス登録はカンタンだけどやめるのは複雑!慎重に。
色んなケースがあると思いますがやめたい、と思っている方。やめるのは一筋縄ではいきません。
その際はしっかり調べてください。
いつ登録したかで、やめられる時期が異なります。
具体的な方法は以前の記事で。
とにかくやめる場合は手続きを慎重に行いましょう。
まとめ
いかがでしょうか。
もし、これから登録したいという方は登録前にしっかりとシュミレーションをしてから判断しましょう。
本当に登録が必要か?どのぐらいの負担になるのか?
帳簿関係は整っているか?申告は自分でできるか?
などを踏まえた上で、対応することをオススメします。
インボイスの質問があればしてみてくださいね