個人事業主がミスしやすい年末年始の処理【前半】

執筆:税理士 後藤亜沙美

今日は確定申告に向けて、個人事業主の方向けに書いてみます。

今日の内容は初心者の方ではなくてもミスが起こりやすいところです。

もし税務調査が来た場合、必ず確認するのが年末年始の処理!

ミスや勘違いがないよう、ぜひ知っておいてください。

まだ確定申告までは余裕があります。

今のうちに一つでも確認してみてはどうでしょうか。

年末年始の確認事項はこれ!

  1. 1年間の帳簿の整理、確認
  2. 年末年始にまたぐ売上・仕入れの確認
  3. 棚卸資産の計算
  4. 未払金を集計
  5. 経費の漏れがないかの確認
  6. 固定資産の有無の確認

6つ上げました。今日は前半3つを解説します。

  1. 1年間の帳簿の整理
  2. 年末年始にまたぐ売上・仕入れの確認
  3. 棚卸資産の計算

1年間の帳簿を整理

毎月きちんと帳簿を作成している方でも一度、売上だけでも請求書や入金と

合っているか確認すると良いです。

まだ受け取っていない未収入があったり、請求書の金額と、帳簿の金額が違う、

などが見つかったりします。

時間がない方も、売上だけは合うように確認すると安心です。

仕入も同様。

経費が他の科目に入っていないか、特に大きな金額には確認しましょう。

年末年始にまたぐ売上・仕入

年度が変わるタイミングには注意です。今年、来年、どっちの売上・仕入なのか。

ここは間違いが起きやすいので慎重に私たちも確認します。

業種にもよりますが、商品を売っている場合、

その商品をいつ引き渡したのか、しっかりと年末年始に確認しましょう。

サービス業の場合はサービスを行った日が売上の計上時期です。

年末に作業に取り掛かって年をまたぐ作業もあると思います。

完成引き渡しがいつなのか、が売上の計上時期になります。

商品やサービスを引き渡していないのにさきに入金があった場合は【前受金】です。

売上に上げないようにしましょう。

完了、引き渡し時点で売上に計上というのを覚えておいて下さい。

ということは、その売上に使った仕入も同じ時期に売上、経費、として

計上されることになります。

これが費用収益対応の原則というやつです。ちょっと難しいですね・・

棚卸資産の計算

こちらは是非、年末もしくは年始早めにやりましょう。

何故なら、年末時点の計算だからです。

確定申告が近づいて2月3月に棚卸資産を計算しよう!となっても

年末時点には戻れません。

きっと商品や材料も変わっていますよね。

12月31日時点で棚卸作業を行いましょう。

この棚卸資産の処理を仕訳で説明します。

例えば

●年末近くに商品を10万円分仕入れた。

仕入れた時点の仕訳。

仕入 10万/現金預金 10万

●12月31日、10万円の仕入れのうち

1万円は売って、9万円分商品が残っている場合。

12月31日の仕訳

棚卸資産 9万/ 仕入 9万

この仕訳をすることで、仕入は売れた分の1万円となります。

(10万ー1万)

年末に買ったものでも使用していなければ仕入(経費)にはできません。

棚卸資産という科目になります。

まとめ

  1. 1年間の帳簿の整理
  2. 年末年始にまたぐ売上・仕入れの確認
  3. 棚卸資産の計算

いかがだったでしょうか。

全て間違いがおこりやすい論点なので是非チェックをしましょう。

タイトルとURLをコピーしました