給与明細の見方。手取りが少なく感じる理由は?

執筆:税理士 後藤亜沙美

はじめに

新入社員の方は初めての給料日を受け取る時期ですね。

「やっとお給料が入った!…けど、思ったより少ない!?」とびっくりしていませんか?

新入社員でなくても会社員の方、自分の給与明細を見たことありますか?

手取りしか見てない、手取りはどう計算されているのか、確認したことはありますか?

その計算、「給与明細」を見るとちゃんとわかります。

そういわれても、どこをどう見ればいいのかわからないものですよね。

今回は、給与明細の基本的な見方を解説します。

給与明細を理解するのは社会人の基本知識です!

給与明細の構造

給与明細には、大きく分けて「支給」「控除」「差引支給額(手取り)」3つのパートがあります。

①支給欄 …基本給、残業代、○○手当、交通費など「もらえるお金」

②控除欄… 社会保険料や税金など「引かれるお金」

③差引支給額…実際に手元に入る「手取り金額」

控除欄でよく見る3つの項目

控除欄を見て、「こんなに引かれるの!?」と思った方も多いはず。

でも、この控除には、社会保険や税金といった、大切な仕組みが含まれています。

① 社会保険料

給料の約15%社会保険料には、健康保険料と厚生年金保険料、雇用保険料が含まれています。

これは会社と折半で、残りの約15%は会社が負担しています。お給料の30%が社会保険料って結構大きいですよね。

② 所得税(源泉徴収)
国に納める税金。給料からあらかじめ差し引かれ、1年後の源泉徴収票に反映されます。

③住民税
新入社員の方は1年目の給与明細には基本的に記載されません。

前年の所得に応じて6月支給分から改定されます。2年目の手取りが減る、というのはこういう仕組みなんですね。

新入社員の住民税について

新入社員の方、「住民税が引かれてない」のは普通。

「住民税が0円って書いてある」と思った方、安心してください。

新卒の新入社員は前年の所得が基本的にないため、最初の1年間は住民税の控除はありません。

所得がある人は、6月頃になると「住民税決定通知書」が届き、そこから控除が始まります。

手取りが少なく見えるのはなぜ?

例えば、支給額が20万円でも、控除によって実際に振り込まれるのは15〜16万円前後ということも珍しくありません。

これは社会保険料や税金がきちんと差し引かれている証拠です。

給与明細をちゃんと読めることは、お金の流れを理解する第一歩になります。

社会人になったらお金の知識はぜひ知っておくと良いと思います。

まとめ

社会人としてのお金の知識第一歩は、「もらった給料の明細を読めるようになること」です。

給与明細は、毎月の家計管理だけでなく、確定申告・ふるさと納税・住宅ローン審査などにも関係してきます。

「手取りしか見てない」ではなく、「自分で理解して見る」ことで、税金やお金の知識が自然と身につくようになりますよ。

参考になると嬉しいです音譜

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